今回は、整形外科の先生から手術を勧められた坐骨神経痛が約2週間でゴルフができるようになった事例をご紹介します。
2か月前に腰痛で3週間の入院されたHさん。病院にてヘルニアの診断を受けました。入院先の病院では1日3回の痛み止めとマッサージを続け、退院後は紹介された整形外科で週1回のマッサージのみのリハビリを実施。それと並行して毎日食後に3回の痛み止めを服用しながら医師の指示通りに様子をみていました。
しかし1か月継続して様子を見ましたがあまり改善がみられないので、ドクターから手術の提案を受けたそうです。手術を受けてしまうと職場からの長期離脱をすることになるので、ほかの選択肢は無いかネットで検索して、ふかだ鍼灸整骨院に来院されました。
Hさんの症状は、股関節の付け根への痛みと左側のおしりからふくらはぎまでの痛みを伴う痺れ。しかも夜寝ていても痛みで目が覚めるためよく眠れず、嫌な夢ばかり見てしまう...
寝床から起きるときに痛みが伴うためしばらく動いてからでないと動けない。よくある腰痛の症状ですが働いている現役世代の方にとってこれは苦痛であり時間のロスにもなるのでストレスになります。また車を降りる時にも痛みが強く、足に力が入らない。そのような症状がかさなっていることから「手術しなければ治らないかのしれない」という不安が強かったです。
【鍼灸治療の経過】
★1回目治療
人生で初めての鍼治療、期待と緊張がともなう体を確認すると骨盤右側へ圧痛がありました。そして、下半身全体が冷えていて当然のごとく股関節の可動域も狭かったです。これではヘルニアがなかったとしても痺れが出る可能性があります。
また右足と左足の筋力にも左右差がみられ、どうしてもベッドに寝る時の移動も痛みでゆっくりとした動作になってしまっていました。うつ伏せは辛そうなので横向きで治療。横向きで寝ることが楽であることに本人にも気づいてもらえました。
★2回目の治療
1回目の鍼治療から2日後に2回目の治療。初めての鍼のあと、寝床から起きるときが楽だったことと、車から降りる時の痛みが減ったと報告してもらえました。これが鍼治療のすばらしいところです。マッサージではほぐれなかった筋肉が、鍼では比較的に簡単にほぐすことができます。
★3回目の治療
2回目の鍼治療から3日後に3回目の鍼治療。症状が強い時にはこれくらいの治療スパンが理想です。前回よりさらに痛みが軽減したことを実感できたようで朝まで気持ちよく寝ることができたと報告有り。Hさんの感覚によると治療開始の痛みから半減したとのこと。痛みが半分になればかなり生活は楽になります。
★4回目の治療
3回目の鍼治療から3日後に4回目の鍼治療。普段の生活や仕事の中で痛みを感じる頻度が減っていることを体感できていました。治療の積み重ねがしっかり体に定着して症状の戻りが少なくて済んでいます。
★5回目の治療
4回目の鍼治療から3日後に5回目の鍼治療。腰回りにあって張る感じや、おしりや股関節への痛みの範囲が小さくなっていることが体感できていました。痛みの範囲が狭くなっていることは実は良いことで、痛みの確信に迫りつつあるということです。
ここからはセルフケアとしてストレッチの提案をし、少しずつ治療のスパンを広げることも視野に入れて治療。痛みはまだあるようですが車から降りる時にいつも通りに降りれるようになってきたとのことです。腰を痛めてから行けていなかったゴルフに行ける気がしてきたと、気持ちも前向きになっていました。
★6回目の治療
5回目の鍼治療から3日後に6回目の鍼治療。セルフストレッチをやってみると本人が思っていた以上にできることにうれしかったとの報告。久々にゴルフの練習へ行ってみようと思っていると嬉しそうな笑顔で語っていたのが印象的でした。
★7回目の治療
6回目の鍼治療から2日後に7回目の鍼治療。ゴルフの練習で120球ほど打ってみたが問題なくできたと報告。また、仕事場での移動も楽になってきているとのこと。セルフケアも継続していけると前向きな発言になり、中腰の姿勢になるときも上半身を支えられるようになって嬉しいとのことでした。治療のスパンは2日と短くなりましたが、これはゴルフで体を使ったからで、早めにケアする心がけができはじめたのも良い習慣になります。
★8回目の治療
7回目の鍼治療から3日後に8回目の鍼治療を。日常生活での痛みを忘れているときがあることに気がついたと嬉しい報告。腰痛の再発防止もかねて体力つくりのためにジムに復帰すると決める。翌週には友人とゴルフへ行くことになり生活に楽しみが戻ってきていました。
★9回目の治療
8回目の鍼治療から7日後に9回目の鍼治療。先日、友人と一緒にゴルフを楽しむことができたようです。プレー後も疲労感はあったようですが、治療院に来た時のような痛みは出なかったとのこと。友人からも腰痛持ちであることがバレないくらい動けたので、Hさんも友人に気を遣うことなくゴルフが楽しめたようです。
★10回目の治療
9回目の鍼治療から7日後に施術。1週間空けてみたが、日常生活で痛みによるストレスは無かった。前回からまたゴルフにも行ってきたが、問題なくプレーも出来たようです。
10回目の治療から1ヵ月経過。日常生活が不安無く送れるようになったので一旦様子を見ることになりました。その後は、1~2か月に1回、体調管理を目的に鍼の施術を受けてます。
体調が改善してきてから話を聞けたのですが、実際は病院へ行くのが嫌で1年以上前から痛かったとのこと。仕事も引退するべきか真剣に考えたり、これからの人生にも絶望していたとのことでした。初めての鍼治療で不安だったが話をしていく中、安心して施術を受けることができたと感想をいただきました。
改めて患者さんが何に困っているかをしっかりくみ取ることが大事だと思いました。自分は痛みで困っている患者さんのすべてに応えることはできませんが、極力その気持ちをくみ取れるように臨むようにこころがけています。
医療機関で治療して自分の希望に添えないときは他の選択肢も持っていただきたいです。
当院では鍼灸治療を中心に施術していますが、鍼に限らず保存療法は手術をする前に受けていただきたいと思っています。