ぎっくり腰は、正式名称を「急性腰痛症」と言います。多くの場合はある日突然腰に激痛が走り、そのまま動けなくなるといった症状です。
激しい痛みのあまり、
・姿勢を変える
・起き上がる
・寝返りをうつ
・体をそらせる
・前にかがむ
といった動作が困難になり、
日常生活に支障をきたしてしまいます。
腰を痛めてから48~72時間は炎症が続くといわれています。この炎症は冷やすことである程度抑えられるので、ぎっくり腰の初期は患部をアイスバックで冷やすことに徹してください。目安としては感覚がなくなってきたらしばらく休んで、感覚が戻ってきたら冷やすの繰り返しです。
ぎっくり腰になったとき、『温めたほうがいいのか、冷やしたほうがいいのか悩む』方は多いと思います。
湿布を貼るにしても、冷湿布と温湿布があるので、どちらがいいのか悩むかもしれません。ぎっくり腰を発症した直後は、患部が炎症を起こしている状態のため「冷やす」ほうが正解です。
2~3日経つと、炎症はおさまってきますので、今度は「温めて」血流を促すことが大事です。
つまり、発症直後の痛みが強い時期には冷湿布を、痛みが少しやわらいだら温湿布に変えましょう。ただ、貼り薬で肌が荒れてしまう方は、おすすめできません。塗り薬やアイスバックをおすすめします。
■ぎっくり腰は絶対安静か?
ぎっくり腰を発症したら、一週間以上、痛みが治まるまで、とにかく安静にしていた。という方もいます。
当院では、早めに日常生活に近い範囲で動かしてもらうようにしています。3日以上の安静は、逆に回復を遅らせてしまうことが多いです。発症直後の痛みが強いときは別として、少し痛みがおさまってきたら、ストレッチをしたり、自宅の中を歩いたり、可能な範囲で日常生活を送ってください。
■入浴は問題ないか?
炎症は冷やすと収まりますが、温めると逆に広がってしまいます。つまり、からだを温める入浴はぎっくり腰の初期段階ではお勧めできません。浴槽につかることはNGです。足湯も同様です。足湯でからだの血の巡りが良くなると、全身の体温が上がってしまいます。そうすると必然的に腰も温まり、炎症が広がってしまいます。体の汚れを落とす目的で、シャワーを浴びる程度にしましょう。
■なぜぎっくり腰がおきるのか?
1.骨盤のゆがみ
リュックサックや鞄を同じ方の肩にかけることが多かったり、時間が長い、足を組む、同じ姿勢での作業が長いなど、偏った姿勢や動きを繰り返すことで、負荷の大きい筋肉は硬くなります。
そこへ筋肉疲労が重なると筋肉と常に連動している骨は圧迫されてきます。そうすると徐々に骨格はゆがみ、腰への負担も大きくなります。
2.筋肉疲労
中腰での作業やデスクワークなどの同じ姿勢が長時間続く人に多いです。同じ姿勢や動作が続くことで、体の重心を支える腰の筋肉に負担がかかり、筋肉疲労が起こりやすいです。また、その状態が続くと血行も悪くなり、疲労がさらに蓄積しやすくなります。
3.精神的ストレス
精神的ストレスが強いと、全身の筋肉も緊張した状態となり、腰を支える筋肉の柔軟性が低下します。睡眠不足からのぎっくり腰にもなりやすいです。
当院に来院されるぎっくり腰の患者さんは、上記3つのの原因が主です。
ぎっくり腰になってしまい、安静にしていてもあまり改善が見られないときは近所の医療機関や治療院で診てもらうほうが回復が早いと思います。ぎっくり腰になったらできるだけ早く医療機関や治療院に行くようにしてください。